自律神経

イライラ

心穏やかに

「イライラしてつい家族にあたってしまう」、「仕事中、些細なことで怒ってしまう」、あとでそんな自分を後悔し、ますますイライラしてしまうといった悪循環に陥っていませんか?

イライラは主に精神的ストレスによって引き起こされます。ストレスを感じ、抱え込み、我慢している人は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
自分ではそんなに大きなストレスは感じていないと思っていても、会社の人間関係、家庭内の問題や子育ての悩みなど、知らず知らずのうちに積み重なっている可能性もあります。ストレスの許容量は人それぞれです。限界を超えればだれでもイライラすると思います。
要因はストレスだけではありません。自律神経失調症更年期障害PMSといった病気がイライラを引き起こすこともあるので注意が必要です。
自律神経、ホルモン、感情をコントロールする中枢は、それぞれ脳の視床下部と呼ばれる部分にあります。3つの中枢はすぐそばにあり密接に繋がっています。このため自律神経やホルモンのバランスが崩れると、情動中枢に影響が及びイライラすると考えられています。イライラが募ると、さらに自律神経やホルモンが乱れるといった悪循環に陥ります。

東洋医学的な観点でみると、イライラするのは「肝気鬱結(かんきうっけつ)」のためと考えられます。「肝気鬱結」とは、肝の力が弱まり気のめぐりが滞る状態をいいます。

肝の働きの1つに「疏泄(そせつ)を司る(つかさどる)」という作用があります。「疏泄」とは「よどみなく流れる」という意味を持ちます。つまり、肝には気血の流れを円滑に、のびやかにする作用があるということを言いあらしています。
元来肝は精神的なものと深い関係があります。肝がのびのびとしていれば、気は順調にめぐり、気持ちも晴れやかです。「情緒を安定させて、自律神経系とホルモン系の機能が円滑に働くように調節する」、これが肝の精神面の働きです。

肝は自由にのびのびと振舞うことを好み、反対に抑圧されることを嫌います。たとえば、職場の人間関係が良好で、仕事も思う通りに進んでいる時は、疏泄作用がのびのびと働き精神状態は快適に保たれます。ところが、上司と衝突したり、人間関係に不和が生じたりすると肝の疏泄作用は障害されます。すると、気のめぐりが停滞して「肝気鬱結(かんきうっけつ)」状態になり、イライラや怒り、のどに何か詰まった感じ(梅核気)などがあらわれます。また、時には、「肝火上炎」といって上部(頭)に熱気が籠ります。「肝火上炎」になると顔面紅潮、目の充血、頭痛、めまい、耳鳴りなどがあらわれます。「肝気鬱結」と「肝火上炎」は互いに移行しやすく、感情の程度によって変動します。
さらに、疏泄機能の失調が進むと、自律神経やホルモンのバランスが乱れ、複雑な症状を持ち合わせることになるわけです。

いずれにしても、イライラして怒りっぽくなるのは、気の鬱滞が主な原因と考えられます。
ただし、些細なことにも怒りっぽくなる症状は、アルツハイマー型認知症、多動性障害、解離性障害などの精神疾患や脳疾患でも見られることがあります。自制がきかないなど、気になる症状をともなう場合は、我慢せず専門医を受診しましょう。

【イライラの鍼灸】
イライラの最大の要因は精神的ストレスです。仕事のトラブルや家庭内の出来事などはっきりした理由がわかっている場合は、それを取り除くことが大切です。

本院では、まず、積聚治療を用いて肝の疏泄機能を回復させ、イライラの原因になっている気の鬱滞を取り除きます。気が円滑に流れれば、イライラなどのストレス性疾患は自然と和らいできます。自律神経失調症更年期障害PMSなどを発症している場合は、これらの施術も一緒に行います。
最後に補助治療として、百会(ひゃくえ)四神聡(ししんそう)膻中(だんちゅう)厥陰兪(けついんゆ)など、気持ちを落ち着かせるツボに鍼灸を行います。

肝の疏泄機能を回復する根本療法的な施術と情緒を安定させる対症療法的な施術でイライラを鎮めます。どうぞ気軽にご相談ください。

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【参考:イライラを鎮めるツボ】
イライラを和らげる代表的なツボを紹介いたします。ご家庭でのケアにお役立てください。

<百会(ひゃくえ)>
「百」はもろもろの、たくさんのという意味をあらわします。すなわち、心身に繋がるもろもろの道すじが一堂に会するツボが「百会」です。
ツボ名の由来通り、とても応用範囲が広く、様々な不調に効果的です。特に、精神の安定には欠かせないツボです。

位置は頭頂部のほぼ中央にあります。見つけ方は、左右の耳を前に折り曲げ、その上端から頭のてっぺんに向かった線と、左右の眉の間からまっすぐ上がった頭の中央を通る線と交差する点をとります。ここを指で押すと軽い痛みを感じられます。
 

<四神聡(ししんそう)>
「百会」と並んで精神安定のためによく用いるツボです。神経質な方には、他の疾患のときにもしばしば使います。

ツボの位置は、百会を中心に前後左右それぞれ1寸(親指幅分)の部位に4穴をとります。
 

<膻中(だんちゅう)>
ツボの場所は、左右の乳頭の間、正中線上でちょうど胸骨の上にあります。

とても過敏なツボで、指で押すと軽い痛みを感じます。精神状態によってその程度が変化し、情緒が不安定な時などは胸全体に響くような強い圧痛が広がります。
お灸を施すと、イライラからくる胸苦しさ、梅核気(ばいかくき)などを和らげてくれます。ご自身で深呼吸しながら静かに撫でても落ち着いてきます。


【参考:梅核気(ばいかくき)とは】
別名ヒステリー球と呼ばれます。咽喉に何か詰まったような感じをいいます。梅の種のようなものが詰まった感じで、早く取り除きたいのになかなかとれない状態を指します。
気が鬱滞しているために起こると考えられています。ストレスの溜まっている人、鬱の人、不眠症の方がよく訴えます。
 

<厥陰兪(けついんゆ)>
イライラをしずめ、精神的苦痛や息苦しさを和らげてくれます。全身をリラックスさせるのにもよいツボです。
神経症過敏性腸症候群など精神的な影響がみられる疾患にも用いられます。

ツボの位置は、第四胸椎から左右両側に指幅2本分離れたところにあります。