婦人疾患

PMS

生理前も清々しく軽やかに

PMS体質(生理前になると体調を崩す体質)の改善をはかります。「色々とやってみたけれども変わらない」という方は東洋医学に基づく代替医療(鍼灸)を、ぜひ一度、お試しください。

【PMSとは】
生理の3日~10日前になると決まって何らかの不調があらわれる場合、PMS(月経前症候群)といいます。特に、40歳前後から更年期の人に多くみられます。
イライラする、怒りっぽくなる、不安になる、顔や手足がむくむ、胸がはる、頭が痛い、のぼせるなど、精神面と身体面の両方に不調があらわれやすく、月経が始まると自然におさまってしまうという特徴があります。
個人差が大きく、上手く付き合いながら過ごせる人と、寝込んでしまうほど酷くなり日常生活に支障が出る人もいます。あまりにも辛い場合は別の病気が潜んでいることもあるので、一度、婦人科でみてもらいましょう。

はっきりした発症原因はまだわかっていませんが、女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)の関与が有力視されています。排卵を境にそれまで増加していた卵胞ホルモンの分泌量が急激に減少し、代わりに黄体ホルモンの分泌量が増加します(下図)。

月経周期に伴う女性ホルモンの変化を表した図

一説には、この2つのホルモンバランスが崩れることで自律神経の働きに影響が及び、PMSが起こるのではないかと考えられています。余談になりますが、これは更年期障害とよく似ています。更年期障害も更年期に起きる女性ホルモンの急激な変化が関与しています。

話を戻すと、影響を受けるのは自律神経だけではありません。セロトニンという脳内の神経伝達物質は、人の感情に関する情報を伝達する物質で、不足するとうつ傾向になることがわかっています。セロトニンは卵胞ホルモンの増減と連動していて、卵胞ホルモンが減少するとセロトニンも減少します。このため、卵胞ホルモンが急に減少する月経前(排卵後)は、セロトニンの分泌量が減少してネガティブ思考や気持ちの落ち込みなど、こころの変化が起こりやすくなります。
また、黄体ホルモンには「水分を貯める」という働きがあります。これは妊娠した際に、胎内を羊水で満たし、赤ちゃんが発育しやすい環境を整えるためです。排卵後は黄体ホルモンの分泌量が急に増えるため、余分な水分が体内に溜まって、浮腫みが出やすくなるとされています。水分が乳房に溜まると乳房の痛みに、頭に溜まると頭痛を引き起こす要因になります。

以上のように、女性ホルモンの関与が有力視されていますが、これ以外の事もわかってきています。
例えば、β-エンドルフィンという脳内ホルモンは幸せな気分にしてくれますが、月経前になると分泌量が低下します。このため、生理が近づくとこころの変化があらわれやすくなります。
また、月経前はインスリン(血糖値を下げるホルモン)の作用が弱くなるため、血糖値が上がりやすくなります。すると、血糖値を下げるために多量のインスリンが分泌され、今度は、低血糖状態になります。このため月経前は、甘いものが欲しくなります。
近年は、カルシウムとの関連性も注目されています。アメリカで行われた臨床試験では、カルシウムを補充するとPMSの症状がある程度改善されることが報告されています。

いずれにしてもPMSの原因はまだはっきりとわかっていませんが、女性ホルモンや脳内ホルモン、血糖値、カルシウムなど、生理前に起きる生理的な変化の影響を受けているようです。

<参考文献>
生理学 医歯薬出版株式会社
わかりやすい女性の医学事典 ナツメ社

【PMSの鍼灸】
先述のように、PMSは生理的な変化の影響を受けることは確かのようですが、発症する人もいれば、発症しない人もいます。ホルモンバランスなどの変化は生理前になれば誰の体にも起きることですが、その影響をうける人もいれば、うけない人もいます。なぜでしょう。当院はこの点に着目し、もう一歩踏み込んでPMSの発症原因を考えています。

本来、女性のからだには、生理前に起きる生理的な変化に順応する仕組みが生まれながらに備わっているはずです。仮にこれを順応力と呼びます。順応力の強い女性は、生理前であっても不調に悩まされることなく過ごしています。
ところが、からだに疲れがたまり、順応力が弱まると、生理前に起きる生理的変化にからだが対応できずPMSを発症すると考えます。PMSのそもそもの原因は疲れ、つまり、冷えというわけです。
PMSになる人の多い40歳前後から更年期といえば、仕事、家事、子どもの教育、親の介護など何かと忙しい年代です。肉体的・精神的ストレスが続くと、知らず知らずのうちに疲れは蓄積します。
時々、「一時的によくなっても再発してしまう」という人がいますが、これは疲れがとれず順応力が弱いためと思われます。

積聚治療(しゃくじゅちりょう)を用いて「精気を補い、冷えをとり」、心身の疲れを癒します。根本的な原因が解消されればPMSから自然に解放され、再発のリスクも低減するはずです。
また、補助的な治療として、体表面にある様々なツボを駆使してPMSによる各症状を鎮めます。たとえば、頭痛が辛いときは痛みを緩和するツボに、むくみが酷いときは水分のめぐりを促すツボに、という具合に各症状を和らげるツボに鍼灸を行います。

PMSの不調をいち早く鎮める「対症療法的な鍼灸」と、順応力を回復する「根本療法的な鍼灸」でPMS体質からの早期脱却をはかります。
PMSに悩まされている方、よくなったと思っても再発してしまう方、どうぞ気軽にご相談ください。

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