頚椎捻挫(むちうち症)は、急激な外力により、頸部の軟部組織に損傷が起こることをいいます。よくあるのは、車で後ろから追突された場合です。まずは、整形外科でレントゲンなどの画像診断を受け、骨折がないことを確認してもらいましょう。もし、骨折が確認された場合は、病院で適切な治療を受けて下さい。骨折がない、あるいは、骨折が治った時は、早めに鍼灸治療を受けると後遺症が残りにくくなります。
頚椎捻挫の種類
頚椎捻挫は主に、頸部の筋肉、靭帯、椎間板、関節包などの軟部組織に傷害を受けます。それに頸神経根、脊髄、交感神経、心因性などの症状が加わることがあり、次のように分類されます。
- 頚椎捻挫型
頚椎の運動制限、頸部の痛み、頭痛の3大症状を呈するもの。むちうち症の典型といえます。 - 頸神経根症状型
頸部、後頭部、背中、腕から手指にひろがる痛み、こり、痺れ、脱力や頚椎運動痛など頸神経根症状がみられるもの。
脊髄から左右に枝分かれした神経が、圧迫されたりすることであらわれます。 - バレ・リュー症候群型
頭重感、耳鳴り、眼精疲労、めまい、悪心、嘔吐、動悸などの自律神経症状の目立つもの。
日によって出たりでなかったりすることがあります。 - 脊髄症状型
四肢不全麻痺、歩行障害、膀胱直腸障害などがみられるもの。
やっかいな頚椎捻挫と後遺症
頚椎捻挫の中には改善しにくいやっかいなものがあり、病院で「これ以上治療しても、もとの状態に戻らない」と判断されてしまうことがあります。交通事故の場合は、事故から半年以上の治療期間を経ると、症状固定として治療を打ち切られてしまうのが一般的です。
また、頚椎捻挫は後遺症に悩まされやすい疾患なので注意が必要です。特にやっかいなのは、良くなったと思っても年月とともに首や肩が辛くなることがあるということです。それだけではなく、何年も経ってから体に弊害を及ぼすことが少なくありません。たとえば、過去に頚椎捻挫をやったことのある女性の中には、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症などの婦人疾患を患っている人が多くいます。首は、全身に向かう神経や血管など重要な器官が通っているため、健康に及ぼす影響も大きいのです。
やっかいな頚椎捻挫とその後遺症を改善する治療
当院でとり入れている積聚治療(しゃくじゅちりょう)では、『人の体は激しい外傷を受けると「精気の虚」を生じる』と考えています。「精気」とは生命力のことで、「虚」とは消耗といった意味があります(詳しくは、施術理念のページをご覧ください)。外傷によって「精気の虚」が生じるのは、損傷した組織の修復に膨大な精気(=生命力)が使われるためです。
精気を消耗すると自己治癒力が低下して患部の回復が遅れたり、バレ・リュー症候群のように自律神経に影響が及んだりすることがあります。また、後遺症や婦人疾患などの弊害の原因にもなるので、もし、整形外科や整骨院で治療を受けたにも関わらず、症状が改善しない、あるいは、後遺症に悩まされているのであれば、患部の治療だけではなく、「精気」も治療してあげる必要があります。
はなもも鍼灸治療院では、精気を回復して、頚椎捻挫やその弊害を改善するという根本療法的な鍼灸治療をおこなっています。こういった治療によって、首や肩などの痛みを改善することはもちろん、自律神経症状などの弊害や、やっかいな後遺症も改善することができるという効果があります。
頚椎捻挫でお困りの方は、ぜひ一度、はなもも鍼灸治療院にお問合せください。特に、症状固定で治療を打ち切られてしまった方や、後遺症に悩まされている方は、一人で悩まず、早めにご相談ください。辛い症状から解放され元の生活が送れるようになります。