更年期障害の緩和に役立つツボを紹介いたします。お灸は東洋医学に基づく代替医療です。ご家庭でも簡単にできるので、更年期障害のセルフケアに取り入れてみてはいかがでしょうか。家庭用のお灸は、ドラックストアや通販で購入できます。
更年期障害の緩和に役立つツボ
参考に、ツボのお勧め度を★の数であらわしています。
関元(かんげん) ★★★
更年期障害の主な原因は、卵巣から分泌される女性ホルモンの減少です。通常、卵巣機能は年齢とともに低下しますが、仕事にプライベートにと忙しい毎日を送っていると、知らず知らずのうちに低下していることがあります。
更年期障害を緩和するためには、卵巣機能を復活して女性ホルモンの急激な減少を抑えることが大切です。こんなときに役立つツボが「関元(かんげん)」です。
「関」は関わる、「元」は元気という意味があります。2つの意味を合わせると、関元は、元気に関わる重要なツボということをあらわしています。関元へのお灸は、卵巣機能を回復して、更年期障害を緩和する手助けをしてくれます。
ツボの位置は、身体の中心線上で、お臍(へそ)の下3寸のところにあります(お臍と恥骨上端の間を5等分して、その一つを1寸とします)。見つけ方は、お臍の下へ指4本分幅ほど下がったところです。この場所は、女性ホルモンに関連する腎経、肝経、脾経と任脈が体内で交わる大切なところでもあります。
三陰交(さんいんこう) ★★★
三陰交は別名「女性のツボ」と呼ばれ、更年期障害の治療に欠かせないツボです。女性ホルモンに関連する3つの陰経脈(腎経・肝経・脾経)が1つに交わることから「三陰交」という名前がつけられています(諸説あります)。女性にとって、とても重要なツボです。
足の内くるぶしから指幅4本分上がった骨際に三陰交はあります。骨に向かってツボを押すと痛みを感じます。
長期的にみれば卵巣機能は下がっていきますが、三陰交を使って上手に対処すれば更年期障害は緩和することができます。
足三里(あしさんり) ★★★
足三里は三陰交とならんで更年期障害の特効ツボです。血行をよくして女性ホルモンのバランスを調整し、更年期障害を緩和してくれます。広い範囲にわたって効果が期待できる大切なツボの一つです。
ツボの見つけ方は、写真の様に膝を直角に曲げ、手の親指をひざの上に置いて、中指を伸ばし、指先が当たったところが足三里です。押すと痛みや違和感があります。
風池(ふうち) ★★
更年期障害になると、体温調節機能に狂いが生じることがあります。ホットフラッシュといって、急に頭部がのぼせて不快な汗がでます。みんなが寒がっているのに、自分だけダラダラと汗をかいて恥ずかしい思いをしたという女性は少なくありません。「ホットフラッシュをどうにかしたい」、そんなときに役立つツボが「風池(ふうち)」です。
風池のお灸で、血行が促進され頭部ののぼせと不快感が和らぎます。お灸がやりにくいときは、親指でこねるように指圧します。指でもむと耳の後ろから頭の両側にかけて痛みが走ります。
ツボの位置は、首の後ろの髪の生えぎわで、僧帽筋という太い筋肉の外側をわずかに離れたくぼみのあたりにあります。
壇中(だんちゅう) ★★
女性ホルモンには情緒を安定させる作用もあるため、更年期障害になると、気持ちのコントロールがうまくいかなくなり、不安感が強くなったり、怒りっぽくなったりすることがあります。更年期障害はメンタル面の対策も大切です。
壇中(だんちゅう)は、心とつながりのあるツボです。お灸をすると心のこわばりがとれて不安感が和らぎます。動悸、息切れ、胸苦しいなどを和らげる効果もあります。
壇中の位置は、乳頭を結んだ線と胸骨の中心線が交わるところです。
手三里(てさんり) ★★★
手三里は別名、鬼邪(きじゃ)と呼ばれます。名前に鬼の字がついているツボは、昔から神経をしずめる作用があるとされています。したがって、手三里は更年期障害によるイライラを鎮め、精神の安定に役立ちます。
ツボの見つけ方は、肘の曲がり目から指幅3本分ほどいったところに手三里はあります。
尚、更年期障害の鍼灸治療については、こちらに詳しいページがございます。