みかんは冬の果物の中でもとてもなじみ深いものです。今回は、この皮を使ったちょっとした健康法を紹介します。
普段、みかんの皮は捨てられてしまいますが、これを乾燥させると「陳皮(ちんぴ)」という立派な漢方薬になります。「陳皮」はご家庭でも簡単に作れます。よく擦り洗いしたみかんの皮を、並べて天日干しするだけです。カラカラに乾燥したらビンなどで保存します。
お風呂に入れてポカポカに
乾燥させた皮3~5個をネットなどに入れて、お風呂に浮かべるとみかん風呂になります。
みかんの皮には、ポリフェノールの一種、ヘスペリジンが含まれていて、血のめぐりをよくして体を温めてくれます。血流が改善されるので、老廃物を排泄するデトックス効果も期待できます。湯上りはからだがポカポカして、お肌もつやつやになります。
また、皮には香り成分のリモネンやテルピネンなどを主成分とする精油が含まれています。お風呂に入れると精油が溶け出し、毛細血管を広げて血行を促進してくれるので、冷え症や腰痛・肩コリにも効果的です。
ちなみに、みかん以外の柑橘類でも試してみましたが、みかんの皮が一番温まりました。
みかん茶で温まる
急須に細切りにした陳皮を入れて、お湯を注ぎ少し蒸らせば、みかん茶の出来上がりです。お好みでハチミツやショウガのすりおろしを加えれば、からだが芯から温まります。
陳皮(ちんぴ)には、胃腸の調子を整える働きもあります。食欲不振や消化不良、吐き気をしずめ、胃酸過多にも良いとされています。温かいみかん茶は、疲れた胃腸を癒してくれます。
*皮をみかん茶に利用するときは、よく擦り洗いをして、汚れやワックスをしっかりとおとしてから天日干してください。
一口メモ
陳皮(ちんぴ)に含まれるリモネンやテルピネンなどの香り成分は、アロマテラピーにも利用されています。リラックス効果をもたらし、ストレスをやわらげてくれます。
さまざまな効能がある陳皮ですが、いっぱい作ろうとして、みかんを食べ過ぎないように注意してください。というのも、柑橘類は酸味が強いため、体の機能を抑えて硬くする作用があると、東洋医学では考えられています。特に、関節や筋肉に異常をもつ人は控えることをお勧めします。
身近なみかんを上手に利用して、寒い冬を乗り越えましょう。