自律神経にとって優しい生活スタイル

自律神経にとって優しい生活スタイルは、規則正しいリズミカルな生活です。

なぜなら、「朝起きて、昼活動し、夜になったら休息する」というのが人間本来の生活リズムで、自律神経(交感神経と副交感神経)もこれに則って働くようになっているからです。

朝から昼間にかけては、主に、交感神経が働いて心身を活発にします。夕方になると、今度は副交感神経が優位に働きはじめ、こころとからだをリラックスさせ眠りに導きます。2種類の自律神経は、生活のリズムに合わせて上手く切り替わりながら働く仕組みになっています。

そこで、朝は、太陽を浴びて交感神経のスイッチを入れましょう。多少睡眠不足でも、できるだけ決まった時間に起きて、交感神経を目覚めさせることが大切です。また、人のからだは、太陽光を浴びてから、およそ14時間後に睡眠ホルモンが分泌される仕組みになっています。毎朝、このしくみをオンにしましょう。
昼間は、活動的にからだを動かして交感神経を優位にはたらかせましょう。忙しくても昼食を抜いたりせず、しっかり食べてください。

夜は、リラックスする時間をつくりましょう。仕事のことは忘れ、スマホの電源をオフにして副交感神経優位に切り替えましょう。夕食は、からだを温める食事がオススメです。お風呂は、ぬるめのお湯にゆっくりつかってください。からだが温まるにしたがって、副交感神経が優位になります。
睡眠ホルモンが分泌される時間帯になったら、早めに就寝しましょう。

規則正しい生活を送っていれば、自ずと自律神経にとって優しい生活スタイルになります。とはいうものの、毎日続けるのは難しいという人は、大まかな起床時間と就寝時間、食事の回数、リラックスする時間を意識するだけでも理想に近づきます。

参考:休日の過ごし方

休日の過ごし方もとても大切です。

いつも仕事に追い立てられていては、交感神経ばかり働き、からだも心も疲れてしまいます。休みの日は心身ともにリラックスして十分な休養をとりましょう。

大切なことは、からだを休めるだけではなく、こころもリフレッシュして精神的ストレスを和らげることです。でも、休養をいっぱいとるからといって、朝寝坊しすぎると生活のリズムを乱すもとになります。休日の前夜は早く就寝して、朝、早く起きることがリフレッシュにつながります。

たまには、博物館や美術館、映画館などに出かけて、気分を変えるのもいいでしょう。また、スポーツや趣味を楽しむのもおすすめです。ハイキングやジョギング、ゴルフなどで軽く汗を流す、ガーデニングで庭にきれいな花を植える、好きな音楽を聴くなど、なんでもかまいません。仕事から離れて休日を心から楽しみましょう。

適度なアルコールはストレス発散に役立ちますが、飲みすぎは逆効果です。休日はついつい量が増えてしまいがちです。お酒はほどほどにしましょう。

参考:食生活

自律神経が乱れている人にお薦めしたい栄養素は、タンパク質ビタミンCビタミンB1です。

乳製品や卵、大豆、魚、肉などの良質なタンパク質は副腎皮質ホルモンの機能を高めてくれるので、ストレス耐性が高まります。

ビタミンCは副腎皮質ホルモンの原料です。リンゴやミカン、イチゴ、玉ねぎ、ブロッコリーなどに多く含まれているので積極的にとりましょう。

ビタミンB1はエネルギー源になる糖質の代謝を高めるほか、神経の働きを活発にする作用があります。豚肉、ニンニク、玉ねぎなどに多く含まれています。

 

特に自律神経失調症の人は、1日3食、バランスのとれた食事を心がけましょう。栄養素をまんべんなく摂ることで、からだの調節機能が整いやすくなります。
「栄養素をまんべんなく」といっても難しく考える必要はありません。穀物(ごはんやパンなど)、肉・魚、野菜の配分さえしっかりしていれば、たいていの栄養素は補給できます。外食が多い人は、定食など品数の多いメニューを選んでください。厚生労働省の「食事バランスガイド」を参考にするのもいいでしょう。

 
<参考文献:生理学 医歯薬出版株式会社、自律神経失調症 高橋書店>

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著者プロフィール 磯部律元

2013年「はなもも鍼灸治療院」を開設。東洋医学に精通し鍼灸師として数多くの施術を手掛ける。同時に、生理学、解剖学、病理学などを学び、人体のしくみについて造詣を深める。
妊活、妊婦の施術を得意とし、自律神経の乱れや慢性化した痛みなどにも幅広く対応している。のべ1万人以上の施術実績を持つ。
根本治療的な鍼灸とここちの良い施術を追求しつづけている。