自律神経がバランスよく働いていると、免疫力は強くなります。なぜなら、自律神経と免疫力は連動しているからです。
自律神経と免疫力の関係
わたしたちのカラダには、体内に入ってきた病原菌やウイルスを退治する機能が備わっています。これを免疫力と呼びます。免疫力の主役は「白血球」です。血流に乗って全身を巡り、カラダに害を及ぼす細菌などの外敵を見つけては退治しています。
白血球には顆粒球、リンパ球、マクロファージの3種類があり、それぞれ役割を持っています。
- 顆粒球:細菌などサイズの大きい異物を退治します。
- リンパ球:ウイルスやがん細胞などを処理します。
- マクロファージ:顆粒球やリンパ球を誘導する司令塔の役割を果たします。
顆粒球、リンパ球、マクロファージが、60:35:5くらいの割合で血中に存在している時が、最も免疫力の強い状態です。
この割合は、普段、自律神経が上手く調整しています。自律神経には、交感神経と副交感神経と呼ばれる2種類の神経があります。交感神経は「昼の神経」と呼ばれ、昼間優位に働いて心身の活動を活発にします。一方、副交感神経は「夜の神経」と呼ばれ、主に夜間優位に働いて心身をリラックスモードにします。
そして、交感神経が優位な昼間は顆粒球が増え、副交感神経が優位なる夕方以降はリンパ球が増える仕組みになっています。これにより、一日を通して白血球が理想的な割合になるようにコントロールされています。
だから、自律神経がバランスよく働いていると、免疫力は高く保たれ病気になりにくいのです。
ところが、交感神経と副交感神経のバランスが乱れると、白血球の割合が崩れて免疫力は低下してきます。
交感神経優位になりすぎると
副交感神経優位になりすぎると
反対に副交感神経が優位になりすぎると、リンパ球がどんどん増加し、顆粒球は減少してきます。
リンパ球が過剰になると、異物に対して過敏になります。花粉や食べ物に含まれる化学物質など、本来、カラダに害を及ばさない物質に対して、リンパ球が過敏に反応してアレルギーを引き起こします。一方、顆粒球が減ると、細菌の攻撃に対して弱くなり、お腹を壊しやすくなったり、体調を崩しやすくなったりします。
あまりカラダを動かさないでのんびりとした生活を送っていたり、甘い物を毎日食べ続けていたりすると陥りやすくなります。このタイプの人は、気力がわかない、疲れやすいなどの特徴がみられます。
まとめ
自律神経と免疫力は連動しているので、強い免疫力を保つためには、自律神経を乱さないような生活を送ることが大切です。自律神経を整える腹式呼吸も効果的です。
<参考文献 安保 徹:薬を止めると病気は治る マキノ出版>