はなもも鍼灸治療院ならではのノウハウ
病院の不妊治療(体外受精、顕微授精)を受けながら、当院に通われている方の年齢層は、30~40歳代の方が中心です。「胚移植をしたけれども、一度も着床したことがない」「顕微授精してみたけれども妊娠しない」「もう年齢的に妊娠は無理なのでは」と、みなさん不安を抱えていらっしゃいます。はなもも鍼灸治療院は、このような難しい症例の治療に重点を置いています。
最新の生殖医療技術(体外受精・顕微授精)をもってしても、周期あたり13.4%(日本産婦人科学会2020年発表)という妊娠率を、「鍼灸の力でなんとか上げることはできないだろうか?」と、10年にわたり、不妊に悩む女性の治療に正面から取り組んでまいりました。これまで、様々なお悩みに応えつつ施術することにより、「卵の育成」「採卵後の体調回復」「胚の着床」「流産予防」など、不妊治療を成功に導くために欠かせないノウハウと経験を豊富に蓄積し、体外受精・顕微授精の治療プロセスに合わせた鍼灸治療を可能にしています。これにより、35歳以上の女性も約7割の方が妊娠されています。治療実績の中には、顕微授精を4回しても妊娠しなかった、体外受精を2年間やったけれども結果が出なかった、40歳を超え婦人疾患を有しているなど、一般には難しいとされるケースも含まれます。これは、はなもも鍼灸治療院ならではのノウハウと、みなさんに根気よく通っていただけたことが、結果に繋がったと考えられます。「グレードのいい卵ができ妊娠できました」「通うたびに相談にのっていただき、長い不妊治療を乗り越えることができました」など、喜びの声もたくさんいただいています。
体外受精・顕微授精の成功例も「30~40歳代の方の嬉しい声」はこちら
長いこと不妊治療を続けていると、心身ともに疲れてしまったという方もいらっしゃると思いますが、一人ひとりの不安や悩みにしっかり耳を傾け、難しい症例も責任を持って治療に取り組んでまいります。妊娠を妨げている原因や施術内容もわかりやすくご説明していますので安心してお任せください。もちろん、当院の鍼灸治療は痛くも熱くもありません。ずっと不妊治療を受けているのに妊娠しない、年齢的にも時間がない、という方は、ぜひ一度、はなもも鍼灸治療院にご相談ください。一緒に喜びを実現いたします。
体外受精・顕微授精の治療プロセスに合わせた治療例
STEP1:卵胞・卵子の育成
このSTEPの目標は、採卵に向けて生命力に満ちた卵(着床して胎児まで成長を続けられる卵子)を1つでも多く育てることです。卵巣刺激の周期(卵を育てる周期)に入っている方は、卵の成長を難しくしている東洋医学的な原因を特定し、1つ1つ治療していきます。
たとえば、腎の働きが弱い腎虚(じんきょ)体質の女性は、質のいい卵が育ちにくい傾向があります。ここで腎とは、腎臓のことではなく生理機能を指します。東洋医学では、腎は、生殖を司り、生殖能力を生み出し、卵子に生命力を宿すとされています。「たくさん採卵できて、グレードのいい胚に育った。でも、着床しない」こういった方に多くみられるのが腎虚です。この場合、卵の生命力が不足しているので、卵の見た目(グレード)はよくても着床しなかったり、着床しても成長が途中で止まったりします。腎虚が認められる方は、「腎兪(じんゆ)」などのツボを使い腎の働きを回復する鍼灸治療を行います。この施術は、AMH値(卵巣予備能)が低く、多くの採卵が望めない女性にも有効です。たとえ数は少なくても、生命力に満ちた卵子が採卵できれば、妊娠の可能性は広がります。
また、瘀血(おけつ)タイプの血流の悪い方は、「血海(けっかい)」など血の滞りを改善するツボに治療を行います。全身の血行が改善されて、ホルモンや、卵の成長に必要な酸素と栄養が卵巣内に行き渡りやすくなります。
これ以外にも気虚(エネルギー不足)や肝鬱(ストレス)、血虚(血の生成不足)など、卵の成長を妨げる原因は様々あります。東洋医学の四診(診断方法)を駆使してお体に潜む不妊原因を明らかにし、治療いたします。
STEP2:採卵後の体調回復
体外受精は、薬(注射)で卵巣を刺激することで卵胞を育て、採卵針で卵胞を穿刺して採卵します。もちろん、妊娠を望む人にとってはメリットの大きい治療ですが、肉体的負担も決して小さくありません。刺激方法によっては、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)という副作用を起こす人もいます。そこまでいかなくても、排卵誘発剤を使用した刺激周期では卵胞ホルモンや黄体ホルモンの値が大きく上昇したり、クロミッドを使用した周期では子宮内膜が厚くなりにくかったり、といったことがあります。
東洋医学の立場からみると、卵胞穿刺も女性のからだにとって大きな負担になります。当院で取り入れている積聚治療(しゃくじゅちりょう)は、人のからだは交通事故のような強い外的刺激を受けると、一時的に強い冷えを生じると考えています。ただし、ここでいう冷えとは、多くの人が考える温感的なものだけではなく、精気の虚(生命力の低下)を意味します。事故ほどではないにしても、卵胞穿刺は卵巣に太さ1㎜前後の針を刺すわけですから、これは結構な外的刺激です。採卵する卵子の数が多ければ、穿刺する回数も増えます。採卵した後は、新たに生じた冷え(精気の虚)をリセットして生命力を養う治療をおこないます。胚移植に向けて体調を整える、とても重要な治療です。
STEP3:子宮内膜の育成
子宮内膜を育てる周期に入りましたら、胚受容能の高い内膜の育成を目指します。胚受容能の高い内膜とは、程良い厚みがあり、ふわふわで、胚の成長エネルギー(グリコーゲン)に富み、受精卵(胚)を優しく受け止められる内膜です。内膜の成長を妨げている原因を特定し、1つ1つ解決していきます。
肝の働きが弱い肝虚(かんきょ)体質の女性は、子宮内膜が育ちにくい傾向があります。東洋医学における肝は、前述の腎と同様に、生理機能を指します。肝の生理機能の1つに「蔵血を司る」というものがあります。これは、からだの活動状況に応じて血流量を調節する働きです。たとえば、内膜を育成する時期は、子宮の血流量を増やすわけです。ホルモンを補充しても、内膜の成長が遅い方は、肝虚(肝が弱い)による蔵血作用の失調が疑われます。この場合、肝の活性化に役立つ「肝兪(かんゆ)」などのツボに治療を行います。
また、胚の成長エネルギーになるグリコーゲンを作る肝臓(臓器を指します)に弱りがみられる場合は、肝機能の向上に役立つ「期門(きもん)」などのツボに鍼灸治療を施します。肝臓をしっかりと働かせて、グリコーゲンに富む子宮内膜を育てます。
内膜の成長を妨げる原因は子宮にもあります。特に器質的疾患はないのに、内膜が薄い、あるいは、胚移植しても着床にとどかない方は、精力減退による子宮機能の低下が疑われます。この場合、「命門(めいもん)」という子宮の力を引き出すツボを使い、子宮機能の回復をはかります。
尚、新鮮胚移植を予定している女性は、STEP1~STEP3を一緒に実施いたします。
STEP4:着床支援
胚移植の前後の時期は、受精卵(胚)が着床しやすいように肝気鬱結(かんきうっけつ)を治療します。肝気鬱結とは、肝の疏泄作用(気をのびやかにめぐらせる働き)が失調して、気のめぐりが鬱滞する状態をいいます。主に、緊張やストレスが原因になります。
本来、ゆったりと受精卵(胚)を受けとめるべき母体が、肝気鬱結により固く縮こまってしまうと、胚は着床しにくくなります。移植日が近づくと、ほとんどの方が緊張してきます。本人は緊張していないと思っていても、お腹がいつもより固くなるのですぐにわかります。肝気鬱結を和らげ、のびのびと気がめぐる、やわらかな身体にして着床の準備を整えます。
胚移植日の1~3日前には着床鍼灸を行い、着床率の向上を目指します。着床鍼灸については以下のページをご参照ください。
尚、着床障害の治療については以下の詳細ページをご覧ください。
参考:胚はいつ着床する?妊娠判定はいつ?
初期胚を子宮に戻した場合、胚は移植後4~5日頃に着床します。着床後約1週間となる移植後11~12日後に病院で妊娠判定を受けます。胚盤胞を戻した場合、胚は移植後1~2日頃に着床します。着床後約1週間となる移植後8~9日後に病院で妊娠判定を受けます。
STEP5:流産予防
遺伝子異常など、胚側の問題でどうしても避けられない自然流産もありますが、しっかりした胎盤を作り赤ちゃんを守り育むために、母体の気虚(エネルギー不足)や冷えなどを治療します。
まず、大切なのは脾の働きです。脾の生理機能に「運化・統血を司る」というものがあります。運化とは、飲食物を消化してエネルギーを吸収する働きです。運化がうまくいかなくなると、着床した胚やでき始めた胎盤に送られるエネルギーが減少します。「食事に気をつけ、サプリメントで栄養補給もしているのに、心拍確認まで続かない」という場合は、脾虚(脾が弱い)による運化作用の失調が疑われます。一方、統血とは、血液が外に漏れないようにする働きを指します。もし、統血機能が失調すると、不正出血が起こります。脾虚が認められる場合は、「脾兪(ひゆ)」などのツボを使い脾の働きを回復する治療を行います。
流産予防に欠かせないものに、女子胞(子宮)につながる任脈と衝脈という2つの経脈があります。任脈と衝脈は、妊娠すると、月経を停止して、胎児にエネルギーを注いで育てる役割があります。任脈の「気海(きかい)」や衝脈の「気穴(きけつ)」などのツボに鍼灸治療をおこない、赤ちゃんに成長エネルギーを送り届けます。
くわえて、不妊の基本治療として行っている積聚治療(しゃくじゅちりょう)による冷えケアを継続することで、大切な赤ちゃんを冷えから守ります。
STEP6:妊娠維持
お腹の中の赤ちゃんと一緒に元気に出産日を迎えていただけるよう、安産鍼灸治療も行っています。心拍確認後も、少なくとも胎盤が完成する安定期(妊娠15週)に入るまで、できれば出産日を迎える頃まで鍼灸治療を受けていただけると理想的です。特に高齢で妊娠された方は、早産などのトラブルの予防になります。また、お腹の中の赤ちゃんの健やかな成長にも効果的です。時々、冷えのケアに訪れ、無事に安産を迎えていただけたら幸いです。お母さんとお腹の中の赤ちゃんの健康をお守りいたします。
治療を受けるタイミング
病院の治療ステージ、お身体の状態、年齢など、一人ひとりの状況に応じて治療しますので、どのステップからでも受けていただけます。採卵・移植のタイミングに合わせて、病院に通いながら定期的になど、一人ひとりのご希望やご都合に合わせて対応させていただきます。疑問点などございましたら気軽にご相談ください。ベストな方法を一緒に考えさせていただきます。
思っていた結果があらわれずお悩みの方、どうしたらいいか分からなくなっている方、年齢的なリミットが迫っている方は、ぜひ一度、はなもも鍼灸治療院の鍼灸治療をお試しください。体外受精・顕微授精が成功するよう全力でサポートさせていただきます。妊娠を遠ざけている原因(東洋医学的な異状)を治療いたします。
参考:ツボの紹介
腎兪(じんゆ)
腎兪は、腎の働きを回復するツボです。腎の働きが盛んになると、生命力、体力が活発になり、生殖力を生み出します。逆に腎が病むと、生殖機能が低下して不妊が起こります。よって、腎兪は卵巣や子宮の機能を回復したいときに使うツボです。
ツボの位置は、第二腰椎の両側、指幅2本分ほど離れたところにあります。見つけ方は、わき腹の一番下にある肋骨の先端と同じ高さにある背骨が第二腰椎なので、ここを起点にします。
命門(めいもん)
文字通り、このツボは「命」の「門」という意味です。生命力の中心であることからこの名前がつけられました。命門は、先天の元気(生まれ持った生命力)が宿るところです。生殖機能を支え保つとされ、子宮の力を出すツボです。命門と合わせて腎兪を使用すると不妊に大変効果的です。
ツボの位置は、第二腰椎の中心にあります。左右の腎兪のちょうど真ん中にあたります。
気海(きかい)
気海というツボ名は、東洋医学で心身のエネルギーをあらわす気が、海のように集まるところであることを意味しています。女子胞(子宮)に繋がる任脈に属するツボで、女子胞に気を注ぐツボです。
ツボの位置は、お臍の下、指幅1本半ぐらいのところにあります。
気穴(きけつ)
「気」はエネルギー、「穴」はツボをあらわします。別名、胞門と呼ばれ、女子胞(子宮)につながる門(入口)であることを表しています。
ツボの位置は、おへそから指4本分幅ほど下がったところで、身体の中心線上から両側にわずかにそれたところにあります。
肝兪(かんゆ)
このツボは、東洋医学でいう肝の病を治療するツボです。肝の働きが弱ると、「肝兪」の位置に凝りがあらわれるようになります。肝の具合を診るには、「肝兪」と「期門(きもん)」のツボを使います。この2つのツボは、現代医学でいう肝臓の位置と一致します。肝臓の機能回復にもすぐれた効果を発揮します。
ツボの位置は、第9胸椎から、左右両側へ指幅2本分のところにあります。
期門(きもん)
「期」は出会い、「門」は字のごとく門をあらわします。すなわち、「期門」というツボ名は、からだの機能に関わる経絡が、そこで交差する「出会いの門」であることを意味しています。たいへん広い範囲にわったて効果が期待できるツボです。肝臓の病気をはじめ、月経不順、子宮内膜症など婦人科系の治療に使います。
ツボの位置は、左右の乳頭から真下に下る線上で、第6肋間にあります。
脾兪(ひゆ)
このツボは、東洋医学でいう脾の病を治療するツボです。脾が弱ると、この場所に凝りや圧痛などの反応があらわれます。
ツボの見つけ方は、第11胸椎から両側に指幅2本分はなれたところにあります。