自律神経

動悸

動悸をしずめる

激しい運動のあとに胸がドキドキするのは、生理的な反応によるものです。これは、休憩をとれば自然に回復します。
しかし、ちょっとした軽い運動で動悸が起こり、冷や汗や息切れをともなう場合は、心臓や循環器系の病気が疑われます。一度、病院で検査を受けるといいでしょう。
一方、自律神経の乱れや更年期障害、また、イライラや不安感など精神的なものが原因で動悸が起きることがあります。このケースは、30歳代から50歳代の働き盛りの人に比較的多くみられます。

【動悸の鍼灸治療】
動悸の原因は人それぞれなので、まずは、問診、脈診、腹診などを使って原因を特定します。
もし、自律神経の乱れが原因と考えられる場合は自律神経のバランスを整える鍼灸治療を、更年期障害が原因になっている場合は冷えをとり適応力を回復する鍼灸を、不安感など精神的なものが原因の場合は心の緊張をほぐす施術を行います。

次に、動悸のツボに鍼灸を施し、ドキドキを起こりにくくします。
首にある天柱(てんちゅう)、背中の心兪(しんゆ)、胸の膻中(だんちゅう)、みぞおちの巨闕(こけつ)などは、血液循環を整えてくれるツボです。胸苦しさを鎮めるには、手の神門(しんもん)や、指先の少衝(しょうしょう)が役立ちます。

動悸を和らげる施術と原因を解消する施術、この2つの鍼灸治療で動悸の根本的な解決を目指します。どうぞ気軽にご相談ください。

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【参考:動悸を治めるツボ】
ここからは、動悸を感じたときに使う代表的なツボを紹介いたします。
わかりやすいようにツボの位置を図で示しています。ご家庭でのケアにお役立てください。

 

<天柱(てんちゅう)>
「天」は頭部を指し、「柱」は大黒柱を意味します。したがって、天柱は、頭部の最も大切なツボであることをあらわしています。
頭部の症状はもちろん、全身状態を整えるツボです。首は、頭とからだを結ぶ血管や神経の通り道であるため、そこにある天柱は、動悸や血圧の安定をはじめ、心身の様々な症状を治めるのに役立ちます。大変応用範囲の広いツボです。
ツボの見つけ方は、首の後ろ両側に僧帽筋という太い筋肉が二本、縦に走っています。天柱は、僧帽筋の上の端の左右両側にあります。髪の生え際を目安にするといいでしょう。

 

<心兪(しんゆ)>
「心」とは東洋医学でいう心の臓のこと、「兪」とは邪気(病気の原因)が注ぐところという意味で、その名の通り、心の臓の病を退散するツボです。心兪は特にお灸が効果的です。
ツボの位置は、第5胸椎棘突起から左右両側へ指幅2本分ほど離れたところにあります。

 

<膻中(だんちゅう)>
「膻」は、心の臓に入ろうとする邪気(病の原因)をさえぎり、包み込み守っている隔膜を示します。「中」は真ん中を意味します。2つの意味を合わせると、胸の真ん中で心の臓を守る重要なツボ、ということをあらわしています。
血液循環を改善し、動悸、息切れ、胸苦しさを和らげてくれます。
膻中は、左右の乳頭を結んだ線と胸骨の中心線の交差するところにあります。

 

<巨闕(こけつ)>
「巨」という字には心の臓という意味があります。「闕」は尊い人の居場所をあらわします。したがって、巨闕は心の臓がある尊い場所で、循環器系の働きをつかさどる重要なツボということをあらわしています。
心臓の機能回復に欠かせないツボの1つです。
巨闕の位置は、みぞおちの中央にあります。胸骨の先端から指幅一本分ほど下がったところです。

 

<神門(しんもん)>
「神」はこころ、「門」は出入口をあらわします。つまり、心の臓に通ずるツボということです。神門を調べることによって、心臓の異状を知ることができます。動悸が激しいような場合に活用されます。
ツボの位置は、手のひらを上にしたときに、手首の関節の小指よりの端にあります。

 

<少衝(しょうしょう)>
少衝は、少陰心経と呼ばれる経脈(からだのエネルギーの流れる道)の終着点です。心臓の病気に大変効果的なツボとして知られ、特に、胸の膻中(だんちゅう)とあわせてお灸をすると、動悸にすぐれた効果が期待できます。
少衝は、小指の爪のつけ根で薬指側にあります。