気象病は低気圧不調ともいい、天気の変わり目に感じる体調不良のことをいいます。低気圧が近づくと、「体がだるい」「頭が痛い」「肩がこる」「手足がむくむ」「関節が痛い」などの不調があらわれます。こうした気象病には鍼灸治療が効果的です。
気象病の原因と症状
気象病に大きく関係しているのは「自律神経の乱れ」です。自律神経とは交感神経と副交感神経の2つからなり、昼の活動時には交感神経が優位に、夜のリラックス時には副交感神経が優位に働くことでバランスを保っています。
ところが、気圧の変化は自律神経系に影響を及ぼします。雨雲が近づき気圧が下がると、空気中の酸素濃度は微妙に減少します。すると、自律神経は体の活動を控えさせる方向に傾き、副交感神経が優位になります。本来、昼間は交感神経が強く働いて活動は活発になるはずなのに、反対に副交感神経が働いて「休息モード」になります。これを“だるさ”や“眠気”として感じます。特に、更年期の女性はホルモンの関係で自律神経が乱れやすいため低気圧の影響も受けやすく、倦怠感、めまい、動悸、頭痛などが顕著にあらわれることがあります。
低気圧の接近は、からだに物理的な影響も及ぼします。気圧とは気体の圧力のことで、私たちのからだは、普段、この圧力を常に受けています。晴れた日は高気圧に覆われているので外部から高い圧力がかかり、全身引き締まりハツラツとしています。一方、天気が崩れて気圧が下がると、外部から受ける圧力が弱まり体に緩みが生じ、関節痛や頭痛、古傷の痛みなどを誘発します。
また、気圧が低くなるとヒスタミンという炎症にかかわる物質の分泌量が増えるため、炎症性の痛みを抱えている人は悪化しやすいという説もあります。ヒスタミンの過剰分泌は、鼻水や鼻づまりなどの鼻炎も悪化させ、花粉症のような症状があらわれることも。
天気の変化にともなってあらわれる体調不良は、低気圧だけが要因ではありません。湿度も関係しています。湿度が高くなると、汗をうまくかけなくなり体内に余分な水分や老廃物がたまり、むくみやすくなります。血流も悪くなり、手足は冷えやすくなります。東洋医学ではこの状態を「湿邪」と呼び、様々な不調の原因になります。特に、梅雨の時季は高い湿度と低気圧が長期間続くので、健康に自信のある人でも注意が必要です。
気象病を改善する鍼灸治療
人間の体は気圧や湿度の変化に反応して、自律神経のバランスが変わったり、からだが緩んだり、水分の排泄量が変わったりします。本来、活力があればこの程度の変化には柔軟に順応でき、大きな影響は出ません。体調を崩してしまうのは体力がないときで、いわば体が気候に負けてしまっている状態です。こういった気象病は、鍼灸治療で改善することができます。
鍼灸と聞くと、腰痛や肩こりの治療といったイメージが強いかもしれませんが、それだけではありません。自律神経失調症や倦怠感、めまい、頭痛など気象病と関係が深い症状もトータルで治療することができます。
はなもも鍼灸治療院では、鍼とお灸で全身のツボを優しく刺激することで、経絡を通して体の内部に働きかけ、弱っている部分の調子を整えていきます。具体的には自律神経、血流、からだの軋みを本来のあるべき元の姿に戻し、気象病を改善します。また、積聚治療(しゃくじゅちりょう)という治療法を用いて活力を高め、天候に左右されない本来のからだを取り戻します。こうした治療によって、気象病を改善できることはもちろん、再発も予防できるという効果があります。
「もしかして、気象病かも」と思ったら、気軽にはなもも鍼灸治療院にお問合せください。特に、自律神経失調症を患ったことのある方や更年期の女性は我慢せず早めにご相談ください。気候の影響を受けないからだを取り戻します。