頭痛・片頭痛の鍼灸治療について

腕にある頭痛のツボに棒灸を施す様子

日常的に頭痛に悩まされている方は意外と多くいらっしゃいます。こういった頭痛は、適切な治療を受ければすっきりと解消することができます。一方で、今まで経験したことがないような激しい頭痛は、脳卒中など重篤な病気の可能性があるので速やかに病院を受診してください。

日常的によくある頭痛

片頭痛

片頭痛は、それまで何でもなかったのに、突然ズキズキした頭痛に襲われます。数時間~数日続くことがあります。音や光に敏感になったり、吐き気や嘔吐を繰り返したり、イライラなどを伴うこともあります。片頭痛の起こる前兆として、目がチカチカする閃輝暗点(せんきあんてん)を訴える人もいます。

片頭痛は、心理的ストレスから解放された後に発症しやすい傾向があります。これには、セロトニンという物質が深く関わっています。セロトニンとは神経伝達物質の一種で、脳や血管の中に存在していて、血管を収縮させて興奮をおさえる働きがあります。脳がストレスを感じ始めると、興奮を抑えようとしてセロトニンが血液中に沢山放出されます。ストレスを感じている間はセロトニンが放出され続けて、血管は収縮しています。しかし、ストレスから解放されるとセロトニンは減少し、血管は拡張します。この時、過剰に拡張すると「ズキンズキン」とした痛みが起こります。これが、ストレスから解放された時に起こる片頭痛です。

また、三叉神経という神経が関わっている片頭痛もあります。三叉神経は、脳神経の中で最も大きな神経で、顔周辺の感覚を支配しています。三叉神経が何らかの刺激を受けると、神経の先から血管を拡張させる神経伝達物質が分泌されます。すると、血管が拡張して炎症がおこり、その炎症部分が三叉神経を刺激して片頭痛が起こります。

片頭痛の中には、エストロゲンという女性ホルモンが関与しているものもあります。これは、20~40歳代の女性に集中していて、生理が始まる頃になると起こり、生理が終わると収まります。エストロゲンは、主に、妊娠に携わるホルモンですが、その他に、セロトニン(脳内の神経伝達物質)の生成を進める働きもあります。エストロゲンの分泌量が増えるとセロトニンも増加し、エストロゲンの分泌量が減るとセロトニンも減少します。前述のように、セロトニンには「血管を収縮して痛みを和らげる」という働きがあります。エストロゲンが急激に少なくなる生理前は、セロトニンの量も減少するため、脳の血管が急に拡張してズキズキした頭痛が起こりやすくなるわけです。反対に、生理が始まるとエストロゲンは増えてくるので、セロトニンの量も徐々に増加し、生理が終わる頃になると片頭痛は無くなります。エストロゲンの分泌量が安定する妊娠中は片頭痛が減り、出産後生理が始まると再び片頭痛が起こりやすくなることからも、このホルモンが関係している可能性は高いと言えます。

片頭痛には色々な要因がありますが、いずれにしても、血管の過剰な拡張によって引き起こされます。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は頭痛の中で最も多く、70~80%を占めています。精神的ストレスなどの心理的な要因が関与しています。ストレスで肩や首の筋肉が過緊張することで血管が過剰に収縮し、頭皮の血流が悪くなり頭痛が起こります。

主に後頭部両側から項部にかけて起こり、側頭部や前頭部に起こることもあります。鈍痛のことが多く、頭を締め付けられるような頭重感や、帽子をかぶったような被帽感を訴えます。発症は徐々に起こり、比較的長く続いて慢性化することもあります。痛みは朝に軽く夕方に強くなるなど、一日の中で変動があります。また、天候によっても左右されやすい頭痛です。その他に、疲れ目なども伴います。

群発頭痛

群発頭痛は、夜間睡眠中に突然起こる頭痛です。入眠して2~3時間後、片側の眼の奥でえぐられるような激しい痛みが反復して起こります。痛みは20分~90分でおさまります。このような発作が年に1、2回の頻度で起こります。

頭痛発作の間に、顔面が赤くなったり、涙や鼻水が出たり、結膜の充血を伴ったりします。群発頭痛は20~30歳代の青年・壮年男性に多く、男女比は5:1です。ストレスやアルコールで誘発されやすい頭痛です。

頭痛のよくある原因

これまでお話してきたように、みなさんが悩まされている頭痛の多くは、血管の過剰な収縮や拡張によって引き起こされています。

普段、血管の収縮と拡張は、交感神経と副交感神経という2種類の自律神経が調節しています。血管が拡張し過ぎた時は交感神経が働いて血管を収縮し、逆に、収縮し過ぎた時は副交感神経が働いて拡張します。2つの自律神経がバランスをとりながら、血管を適度な太さに調節しています。なので、自律神経が正常に働いていれば、頭痛の要因とされるセロトニンが分泌されたとしても、あるいは、精神的なストレスがかかったとしても、頭痛は起こらないのです。つまり、頭痛のほとんどに「自律神経の失調」が関係しているのです。

頭痛をすっきり解消する治療

日常的にみられる頭痛(片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛)の多くは、自律神経が乱れたことに起因しています。こうした頭痛は、鎮痛剤では一時的に痛みを抑えられても根本的に解消することはできません。頭痛発作が出るたびにお薬を飲んでしのいでいるけれども、使い続けることに不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか↓

できることなら、鎮痛剤に頼らなくてもいい身体になりたいというのが多くの方の願いだと思います。

頭痛のほとんどは、自律神経の乱れに起因するので、自律神経バランスを整える治療に重点を置く必要があります。特に、こうした頭痛は精神的ストレスで悪化しやすく、再発率も高いので、精神を安定させることを考慮した治療も大切です。

はなもも鍼灸治療院では積聚治療(しゃくじゅちりょう)という治療法を用いて、自己治癒力を高めて自律神経を正常化すると同時に、ストレスを緩和して精神を安定化する治療をおこなっています。また、首や肩、背中などにあらわれる筋肉の緊張を優しく緩めていきます。

たとえば、首にある風池(ふうち)、肩にある肩井(けんせい)、背中にある膈兪(かくゆ)といったツボは筋肉の緊張から起こる緊張型頭痛に効果的です。ストレスによる片頭痛の改善には、頭にある百会(ひゃくえ)というツボが役立ちます。腕にある曲池(きょくち)というツボに治療を行うと、効果的に頭痛を軽減することができます。

頭痛のツボの位置

一般には患部ばかりが注目されますが、そこから遠く離れた一見関係ないと思えるところにも効果的な治療点があります。こうした治療によって、辛い頭痛から根本的に解放されることはもちろん、鎮痛剤に頼る必要もなくなるという効果があります。

積聚治療は、全身をトータルで治療することができるので余計な時間をかけずにすっきりと頭痛を解消することができます。長い間、辛い頭痛に悩まされている方や、頭痛体質から解放されたいという方は、ぜひ一度、ご相談ください。

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自律神経失調症や更年期障害による頭痛でお悩みの方はこちらもあわせてご覧ください↓

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著者プロフィール 磯部律元

2013年「はなもも鍼灸治療院」を開設。東洋医学に精通し鍼灸師として数多くの施術を手掛ける。同時に、生理学、解剖学、病理学などを学び、人体のしくみについて造詣を深める。
妊活、妊婦の施術を得意とし、自律神経の乱れや慢性化した痛みなどにも幅広く対応している。のべ1万人以上の施術実績を持つ。
根本治療的な鍼灸とここちの良い施術を追求しつづけている。