妊娠中に便秘や下痢に悩まされる妊婦さんは結構いらっしゃいます。中には、便秘と下痢を繰り返すという人も。そんな便通の乱れには鍼灸治療が効果的です。
便通が乱れる原因
便通が乱れる原因は、まだ、はっきりとは解明されていませんが、妊娠によるホルモンバランスの変化、運動不足やストレス、つわりによる食事の偏りなどが関与していると考えられています。中でもプロゲステロンというホルモンの影響は大きいです。
妊娠するとからだの中では、プロゲステロンが盛んに分泌されるようになります。プロゲステロンは、赤ちゃんの成長に合わせて子宮が大きくなれるように子宮を緩める働きがありますが、同時に消化器も緩めてしまうため、人によっては腸の動きが鈍くなり便秘になりやすくなります。また、ホルモンバランスの変化により自律神経が乱れると下痢につながりやすくなるため、便秘と下痢を繰り返す人もいます。
妊娠後期には、大きくなった子宮が周りの腸を圧迫することで腸の動きを鈍くしてしまうことも便秘の要因になります。
便通の改善に効果的な鍼灸治療
妊娠中によく起こる便秘や下痢の殆どは深刻なものではないため、多くの場合、病院では整腸剤やマグネシウム剤を処方するだけでそれ以上の効果的な治療は行いません。お薬やセルフケアで改善できればいいのですが、自律神経の乱れやホルモンバランスが関与しているため、なかなか改善できないという方も多いのではないでしょうか。こうした便秘や下痢には鍼灸治療が効果的です。
鍼灸と聞くと、腰痛や肩こりの治療と思われるかもしれませんが、逆子やつわり、マタニティブルーなど妊娠中のトラブルにも効果的です。それだけではなく、自律神経を整えるとともにホルモンバランスを整える効果もあるため、便通を改善することができます。鍼灸治療は、より自然に近い治療法なので副作用がなく妊婦さんに安心して受けていただける点も特徴の1つです。つわりで口当たりの良い冷たい物しか食べられず下痢になってしまった妊娠初期の方や、大きくなった子宮に腸が圧迫されて便秘になってしまった方、また、マタニティ―ブルーなどで自律神経が乱れた影響で便通も乱れてしまったママさん達が来院されています。
いくら深刻なものではないとは言え、お腹の張り感や下腹部の不快感を抱えながらマタニティライフを過ごしたくないというのが多くの妊婦さんの願いだと思います。はなもも鍼灸治療院は、鍼灸治療で大腸の調子を整え乱れた便通を改善いたします。
参考:便秘や下痢に効果的なツボ
ここでは、便秘や下痢の治療によく用いるツボを紹介いたします。便通の改善にとても役立ちます。
神門(しんもん)
神門は、動悸などの心臓の症状にいいツボですが、便秘にもたいへんよく効きます。昔から、ここにお灸をすると頑固な便秘も改善すると伝えられています。
ツボの位置は、手首の関節で、手のひら側の小指寄りの端です(下図)。
曲地(きょくち)
曲池は、大腸の機能を整えてくれるツボです。応用範囲が大変広く、下痢や便秘をはじめ、消化器系全般の症状に役立ちます。
ツボの位置は、肘の内側の曲がり目の親指側の窪みにあります(下図)。