子宝妊活

着床不全と冷えと鍼灸

着床不全の鍼灸

着床は、胚と子宮内膜が相互に作用し合い複雑に絡み合って成立します。 ですから、着床不全の原因を特定することはとても難しいとされています。このような症例には、現代医学と少し違う視点でアプローチする東洋医学(鍼灸)を併用するとうまくいくことがあります。

<目次>
1.着床不全の原因
2.着床不全の鍼灸 ~第1原因を解消する

1.着床不全の原因
着床不全を起こす子宮側の原因として下記のようなものがあげられます。
①慢性子宮内膜炎、子宮筋腫(粘膜下筋腫)、子宮内膜ポリープ、子宮形態異常(中隔子宮)、子宮内膜増殖症、卵管留水腫、子宮内膜癒着
②ホルモン異常(甲状腺機能異常、黄体機能不全)
③高リン脂質抗体症候群、凝固能異常
④免疫寛容の異常
⑤子宮内膜と胚のクロストーク(シグナル交換)の問題
⑥着床の窓の問題

着床不全の原因は、子宮筋腫などの子宮内環境の問題から、ホルモンや免疫の異常など多岐にわたります。これに加えて、最近では胚と子宮内膜のクロストークや着床の窓の問題といったことも注目されています。
病院では様々な検査が行われ、もし問題がみつかった場合、手術や投薬などで対処してくれます。また、胚と子宮内膜のクロストークについてはSEET法、着床の窓についてはERA検査(子宮内膜受容能検査)など、着床率を少しでも上げる方法が考案され不妊治療は日々進歩しています。

2.着床不全の鍼灸 ~第1原因を解消する
でも中には、問題は解決されたはずなのに、あるいは、対策をとっているのになかなか着床しないという方がいらっしゃいます。鍼灸が功を奏するのはこのような患者様です。
疾患自体を着床不全の原因ととらえる診方もありますが、当院で取り入れている積聚治療(しゃくじゅちりょう)では「どうして病巣(子宮筋腫や子宮内膜ポリープなど)ができたのか」「なぜ免疫異常が起きたのか」というところに視点をおきます(積聚治療とは鍼灸流派の中の1つで、東洋医学に基づく鍼灸治療を行っています。詳しくは施術理念のページを参照ください)。
たとえ病巣を取り除いたとしても、その原因がまだからだに残っているなら、それは本来の健康なからだではなく着床不全もまだ解決していないと考えます。つまり、上記①~⑥の症状があらわれた理由が着床不全の「第1原因」と捉えるわけです。

では、第1原因は何か。それは、子宝鍼灸のページでお話したように、からだが冷えて生命力が弱まった結果、病気に対する抵抗力が低下したためと考えます。
たとえば、子宮内膜炎は細菌感染が主要因とされますが、菌に感染したのは免疫力が弱くなったから、つまり、冷えているからとみます。現代医学においても、低体温は免疫機能の低下に繋がることがわかっていています。視野を広げれば、免疫寛容なども同じ免疫系の問題ととらえることができます。
また、からだは冷えると熱を調節する力も弱まり、体内で熱が籠ることがあります。積聚治療では子宮筋腫や子宮内膜ポリープなど体内にできる塊は「熱源」とみます。これは、子宮で熱が滞っていることをあらわしています。でも、その背後には冷えがあると診るわけです。
冷えて熱が籠るとは不思議に思われるかもしれませんが、「冷えに抵抗するために熱症状があらわれた」、あるいは、「これ以上冷えないように熱の塊があらわれた」と考えると分かりやすいかもしれません。積聚治療ならではのとらえ方です。

着床不全を起こす疾患が何であれ、東洋医学的に突き詰めると冷え、つまり、生命力の弱りにたどり着きます。
そもそも生命とは温かいことと考えます。冷えると、からだの機能はだんだんと低下し、極論は死を迎えます。生命力があるということは温かく、そして、からだに備わっているあらゆる機能が滞りなく正常に働いていることと同義です。正常に機能しなくなると病気を発症し、それが子宮に影響すると着床不全を引き起こすと考えます(卵管に影響すると卵管障害に、卵巣だと排卵障害に、卵管采だとピックアップ障害に繋がるわけです)。

当鍼灸院では、冷えを着床不全の第1原因と見立て積聚治療を行っています。温かいからだを取り戻して着床に関連している様々な機能が滞りなく働きはじめれば、胚受容能の高い子宮内膜も育ちやすくなると考えます。
「新しい生命は温かい生命に宿る」をモットーに、鍼灸治療が着床不全に悩んでいる方々の突破口になることを願い日々施術に取り組んでいます。
妊活でお悩みでしたら、ぜひ一度、はなもも鍼灸治療院にご相談ください。


<関連するページ>
ピックアップ障害の鍼灸
排卵障害と体質の関係について
卵管障害と病症と鍼灸


<子宝コラム>
妊活と温かいからだ作りとミトコンドリア
妊活に効果的な鍼灸の受け方
妊活におすすめの栄養素と食事のとり方


<参考文献>
不育症学級 金原出版
赤ちゃんが欲しい人の本 西東社
積聚治療 医道の日本
からだが不調なら冷えをとりなさい 飛鳥出版