着床障害を鍼灸治療で改善する

受精卵が着床するまでの画像

着床障害とは

着床障害とは、体外受精や顕微授精でできた良好な胚盤胞を何度移植しても子宮内膜に着床しない、あるいは、着床しても妊娠が継続しない状態を指します。

着床障害の機序はすべて解明されたわけではありませんが、比較的多いのが、細菌感染による慢性子宮内膜炎や、子宮筋腫、子宮内膜ポリープといった子宮内部の問題で着床不全を起こすケースです。また、高リン脂質抗体、自己免疫抗体という免疫機能の異常によって引き起こされることもあります。

着床障害は体外受精治療を行っている女性の15%~20%にみられます。当院では着床障害の対策として以下の治療を行っています。

着床障害を鍼灸治療で改善

着床障害でやっかいなのは、原因が十分に解明されていない分野であるため、治療したからといって必ずしも着床するわけではないということです。もし、病院で治療を受けているにも関わらずなかなか着床しないというのであれば、他にも原因が潜んでいると考える必要があります。

たとえば、着床不全の要因になる慢性子宮内膜炎は、細菌感染によって子宮内膜に繰り返し炎症が起きる疾患です。こうした感染症は、身体を守る、免疫力やバリア機能に関わる「衛気(えき)」という「気」が低下した結果です。また、筋腫やポリープなどのしこりは、気血の巡りが滞った結果できる産物です。

着床障害による不妊だからといって、腹部への鍼灸治療と短絡的な思考でとらえていては、治療に余計な時間を要してしまいます。着床障害の多くは衛気の低下や気血の滞りに起因しているので、患部の治療だけではなく、衛気や気血の巡りを回復する、体質改善にも目を向ける必要があります。

衛気の低下にしても、気血の滞りにしても、いずれも「その人の精気(陽の気)が弱った(虚)」ことがそもそもの原因です。このような病態を東洋医学では「陽虚」と呼びます。この場合、積聚治療(しゃくじゅちりょう)という治療法を用いて陽虚病症の治療をすることで、衛気や気血の巡りが回復して免疫機能や子宮内部の改善につながることはもちろん、妊娠力も高まり妊娠しやすいからだに改善されるという効果があります。

着床障害の鍼灸治療は、体質改善を目的とした補助的な治療法としても効果的です。病院で体外受精治療を受けているにも関わらず着床・妊娠しないという方は、ぜひ一度、はなもも鍼灸治療院にご相談ください。

関連する症状の治療についてはこちらをご覧ください。

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著者プロフィール 磯部律元

2013年「はなもも鍼灸治療院」を開設。東洋医学に精通し鍼灸師として数多くの施術を手掛ける。同時に、生理学、解剖学、病理学などを学び、人体のしくみについて造詣を深める。
妊活、妊婦の施術を得意とし、自律神経の乱れや慢性化した痛みなどにも幅広く対応している。のべ1万人以上の施術実績を持つ。
根本治療的な鍼灸とここちの良い施術を追求しつづけている。