妊活は、男女が協力して取り組むことが大切です。夫婦2人で取り組むことで、妊娠の可能性はさらに高まります。
男性の不妊治療の現状
国内では6組に1組のカップルが不妊に悩み、約50万人がなんらかの不妊治療を受けています。世界保険機構(WHO)によると、不妊の原因のほぼ半分は男性にもありますが、男性の参加は女性に比べて少ないのが現状です。
男性に理解が広がらないのはなぜでしょう。それは、「不妊の原因は女性」という思い込みがあるのではないでしょうか。先述のように、不妊の半分は男性にも原因があることが明らかになっています。正常な精子が全く見当たらない「無精子症」でさえ、100人に1人はいます。男性不妊は身近な問題です。「自分は違う」と信じている方や、結果が不安で、病院に行きたがらない人も多いのかもしれません。もちろん、異常なしの人はいます。男女両方とも異常はないのに、妊娠しないケースも沢山あります。実は、このような「機能性不妊(原因不明不妊)」が、不妊に悩むカップルの中で最も多いと考えています。でも、妊活に取り組んでいるのは、圧倒的に女性です。妊娠は、高齢になるほど難しくなります。ぜひ、男性も妊活に協力してください。
生命力と生殖力を強化する治療
男性不妊症の90%以上は精子をつくる機能に問題がある、造精機能障害であることがわかっています。造精機能障害とは、精子の形成や成熟ができないことです。しかし、その約60%は、なぜ精子に異常が発生しているのか、原因がわからないものです。この中には、ストレスによる自律神経の乱れから引き起こされているケースも少なくありません。また、男性が最も歯がゆいのは性機能障害です。性機能障害は男性不妊の中では、自分でもはっきりと認識できる症状です。これには、精神的ストレスで起こる勃起不全(ED)も多く含まれます。
原因不明の不妊や精神的ストレスが原因の男性不妊は、その人の持っている生命力を強化することが大切です。そのためには、鍼とお灸でツボを優しく刺激して、「気血の滞り(とどこおり)」をとっていくことが重要です。「気血のめぐり」が良くなると、生命力が充実して生殖力が蘇ります。鍼灸にはリラックス作用があることも、近年の研究で明らかになっています。特に男性不妊では、精神的ストレスを溜めないように気を付けてください。男の人の妊活は、精神面も含め、生命力を高めて生殖力を強化することが重要です。ご夫婦で取り組めば、きっとかわいい赤ちゃんに恵まれます。